長距離におけるスピードについて前回以下の2パターンがありますとお話ししました。
①最大出力を上げるスピード
②スタミナに支えられたスピード
そしてこのうち①について前回お話ししましたが、今回は②についてお話します。
①も大切ですが、特に長距離に大切な部分は②についてです。これを知って実践されている方は、ほとんどいません。もう一度言います。とても大切なのは②の部分です。しかしほとんど理解している方はいません。なぜならばこういう情報は市民ランナーの耳にはなかなか入ってこないためです。
前置きはこのくらいで、②のスタミナに支えられたスピードについてお話します。(①につきましては前回の記事を参照)
長距離におけるスピードについて(インターバルはスピード練習ではない!) – マラソン完走からサブスリーまでランナー養成ブログ
みなさんスピード練習といいますとどういったものをイメージされますか?おそらく多くの方が数百メートルの距離をがんがんダッシュで走るもの。とお答えするかと思います。しかしこれは①の部分に近いものであり、長距離に1番必要な②のスピードとはかけ離れています。①をがんがんやったところで400mを数本速く走れるようにはなるかもしれませんが、3000m以上の距離で速く走り切れるスピード持久力とはほとんど関係ない世界であります。そのため①の練習ばかり必死に練習されている方が3000m以上の距離でタイムが伸びないという方がいます。おそらく本人は一生懸命頑張っているのでしょうが、長く速く走るスピード持久力とは無関係なため、いくらそこを集中して取り組んでも伸びないのは当たり前のことです。
それでは、スタミナに支えられたスピードとは何かといいますと、2000mを走り切るスピードと思ってください。1000mじゃないですよ2000mですよ。1000mはスタミナに支えられていないスピードだけでも走れてしまいます。2000mのスピードをあげるためには、1000mのスピードも必要、はたまた5000m、10000mと走り切るためのスタミナも必要。いわゆるスピードとスタミナの総合力が必要なわけで、すなわちスタミナに支えられたスピードということになります。
1000mだけ鍛えていてもスピードに余裕はあるが後半失速しますし、長い距離ばかり鍛えていても、ゆっくり2000m走る能力しかつきません。
そこで、どういった練習をしたら良いのかといいますと、まず1000mを速くなる練習をしましょう。こちらは400mなどの練習で①の最大出力を上げるスピード練習を参考にされてください。(前回の記事)これでスピードの外堀を固めます。
そして、8000m、10000mのペース走、ロング走でスタミナの外堀を固めていきましょう。注意としてこのスタミナは、ゆっくり長くではなく閾値レベル以上のペースでのスタミナを徹底的に鍛えてあげましょうということです。
ここまで練習を積み上げた段階でやっと2000mを走れる段階にこれます。
ここからもまた大切なポイントなのですが、上記の2つを徹底的に鍛え上げた後に必ず2000m全力で走る練習を取り入れて下さい。多くの強豪校などは確実に行っていることですが、多くの市民ランナーの方で行っている方は本当に少ないと思います。なぜでしょう?それは情報が入ってこないためです。2000mを強くなるために1番の理想は2000mを走ることなのです。いきなり全力で走ることは難しいので段階を分けてから2000mに挑戦するということです。
具体的には、2000m×2本、2000m×3本 これを全力で行ってください。レストは15分くらいとって完全回復させてよいでしょう。
ここまでできてやっとスタミナに支えられたスピードの完成です。
この2000mのスピードはすぐに5000mの結果に結びつきます。5000mは10000mにつながります。また10000mはハーフに、ハーフはフルマラソンまでつながります。このようにスピードに支えられたスピードはフルマラソンを目的としている方にとってもとても大切なものです。
極論を言えば長距離のトレーニングとはスタミナに支えられたスピードを鍛え上げるということです。
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