マラソンと体重の関係の真実。体重が落ちれば本当に速くなるの?結論を出してみた!

マラソンと体重

体重が落ちればマラソンのタイムが速くなる。
よく言われている当たり前のことかもしれません。
だからといって食事制限により体重を落とせば良いのでしょうか?
今回は体重減少とマラソンのタイムの関係について考察してみたいと思います。

巷に溢れたマラソンと体重の噂

マラソンをしている人であれば誰もが一度は聞いたことがあるであろう、「体重が1キロ落ちればフルマラソンのタイムが3分速くなる」という説。
この説については、福岡大の田中教授が考案している説であり、1kg=3分説が日本では定説となっています。
しかし、フルマラソンをサブ3で走る実力があるランナーと、5時間かかるランナーとを比較した場合、1キロ体重を落とすことでお互い3分タイムが縮まるとするのは、乱暴すぎる説ではないだろうか。
本当のところどうなのかを考えてみました。

まず絶対に知らなければならないマラソンタイムと最大酸素摂取量の関係

私たちは呼吸をすることで体内に酸素を取り入れ、それを利用し糖や脂肪を分解して運動エネルギーを作りだしています。
ですから、体内に取り込む酸素量が多いほどエネルギーもたくさん作られ、強度の高い運動をより長く行えるようになります。
エネルギーを多く作り出せる人ほど強度の高い運動を長く続けることができるということは、やはり酸素を多く取り込める方はその分だけ速く走れるということになります。

そこでマラソンをやってる人にとっては必ずと言っていいほど知らなければいけない知識が最大酸素摂取量とはなんぞやというものです。
さきほどあげましたが、呼吸により体内に酸素を取り込む訳ですが、その体に取り込める最大の酸素量を「最大酸素摂取量」といい、これは1分間体重1㎏あたりが取り込める最大の酸素量を指し、自分自身の持久力の指標として用いられています。
ということは体重が変われば最大酸素摂取量の数字も変わってくることになります。

例えば、1分間に3000mlの酸素を肺に取り込める体重60㎏の人の最大酸素摂取量は3000÷60=50になります。
その方が、痩せて体重が50㎏になった場合、最大酸素摂取量は60になる計算です。

したがって、痩せれば酸素摂取量は増えることになるのです。

体重が落ちればタイムがどれくらい上がるのか考察

さて、Dr.Cooperが最大酸素摂取量とマラソンのタイムについては最大酸素摂取量が1違うと概ねタイムが4分08秒変わると提唱しています。(実験結果は枠の関係でここでは省略します)

こちらを考慮して先ほどの例に当てはめてみますと、この方は体重が10キロ落ち最大酸素摂取量が10上がっています。ということはDr.Cooperの提唱によるとタイムはおおよそ40分縮まる計算になります。
そうだとしましたら最初にあげた1kg=3分説は大まかですが正しいと言えそうですね。

しかし本当でしょうか?わかりやすくここでかなり極端な例を挙げてみましょうか。

1分間に6000mlの酸素摂取できる体重200kgのAさん、体重100kgのBさんがいるとします。
お互いダイエットをして体重がAさん150kg、Bさん50kgへと落ちたとします。

それぞれの最大酸素摂取量の変化を考えてみましょう。

Aさん
ダイエット前
最大酸素摂取量6000÷200=30

ダイエット後
最大酸素摂取量6000÷150=40
30から40へ10の増加ですね。
ですと体重50 kgの減少でDr.Cooperによりますと、Aさんはマラソンのタイムはおおよそ40分あがるということになります。

Bさん
ダイエット前
最大酸素摂取量6000÷100=60

ダイエット後
最大酸素摂取量6000÷50=120

60から120へ60の増加ですね。
ですと体重50 kgの減少でDr.Cooperによりますと、Bさんはマラソンのタイムはおおよそ240分あがるということになります。びっくりですね。

これは極端な話でこういったことはあり得ないことなのでしょうが同じ体重の減少でもここまで理論上は差がでるということです。

だとしたら1kg=3分説は間違っていることになるのでしょうか?
それは間違っているとも間違っていないとも言えません。
おそらく1kg=3分説は陸上を競技として頑張っているある程度の狭い枠組みの中での話だと思うのです。
その枠組の中で計算上おおよそ3分のタイム減少になりやすいということだけだと思います。
陸上を競技として行っている方々の体型体重は似通っていますのでその中で1kg=3分説は有力だということではないのでしょうか。

体重を落とす際の注意点

どちらにせよ体重を落とせば最大酸素摂取量が増加しタイムが縮まることがわかりました。
しかし無理なダイエットをしてしまうと、筋力が落ちてしまったり、貧血になったりしてタイムが逆に落ちることになりかねません。
筋肉に酸素を送り届けそれにより筋肉は運動をすることができますので、そもそも筋肉量が減ってしまうと、酸素を送り届ける量までも減ってしまいます。

体重が減りました。やった!最大酸素摂取量の増加だ!は早とちりです。
筋肉も落ちました!最大酸素摂取量の減少だ!となりかねません。

要するに筋肉を落とさずに体重を落としましょうということです。

今回の結果をもとにわたし達はどのように行動していけばよいか?

①筋肉量を維持しつつ体重を落とす

体重が落ちると最大酸素摂取量が増加することからタイムが上がることに繋がることがわかりました。
また逆に筋肉量の減少は最大酸素摂取量の減少へと繋がり、その結果タイムが下がることに繋がるということもわかりました。
ということは結論として筋肉量を落とさずに体重を落とすことが必要となります。
有酸素運動のやりすぎは、筋肉が分解され体重は減少するものの、筋肉量まで減少し、最悪最大酸素摂取量の増加はプラスマイナス0ということもあり得ます。
そのために体重を落とす際に必ず気を付けてほしいことはランニング後には筋肉の主な成分であるタンパク質を多めに摂取してほしいということです。
私はなるべく肉を大量買いして摂取するように心がけていますが、走った後ですと食欲が湧かなかったり、また料理する時間がなかったりと人それぞれだと思いますので、そういった方は必ずプロテイン等で補っていただくことをおすすめします。
おすすめのプロテインに関してはこちらに記載していますので、まだ飲んだことない方は参考にしてみて下さい。

②思い切ってケトン食を考えてみる

我々の体は主に糖と脂肪をエネルギーとしています。
運動の強弱により優先して使われる割合が決まってきます。
短距離走などの短く瞬発的にエネルギーが必要な場合は糖の割合を多くエネルギーとして使用し、フルマラソンのような長く瞬発的ではない運動の場合は脂質を多くエネルギーとして使います。
脂肪と違って糖の体内への貯蔵量は概ね決まっていますので、フルマラソンでは終盤糖が枯渇しエネルギー切れを起こすのですが、それでしたら無限にある脂肪をエネルギーとして最後までエネルギー切れを起こさず走り切ろうという考え方がケトン食を利用し走りに活かすということです。
マラソンとケトン食について、詳しくは下記記事を参照ください。

③騙されたと思って痩せる服を試してみる

着るだけで痩せるシャツに加圧シャツというものがあります。
これは効率的に筋トレを行うため、着圧によって身体を強く引き締め、基礎代謝を上げるためのトレーニングウェアのことを言います。
加圧シャツは着圧が大きく、身につけているだけで体幹を鍛えることができるというメリットもあります。
痩せる手助けとなるものが欲しいという方はこちらを参考にしてみて下さい。

④最終手段としてライザップやジムを検討してみる

ライザップが主に何をしているかといいますと、簡単に言えば②のケトン食を実施しサポートとして筋力を落とさないように筋トレも補助的に取り入れるということをしています。
私自身ケトン食を長い間行っていましたのでライザップで痩せる仕組みが痛いほどわかります。
ケトン食を続けていると嫌でも痩せてしまいます。
知り合いのボディビルダーも減量期では良く行っています。
1人でケトン食、筋トレを管理できる知識とメンタルがあればそれに越したことはありませんが、そういったことが難しいのであればライザップなどに身を任せ短期的に痩せた後、ランニングに復帰しタイムがいくらあがるか試してみるのも1つの手だと思います。
ジムに関しては下記記事を参考にしてください。

www.runner-sourakudo.com

マラソンと体重の関係まとめ

どうでしたか。
体重が落ちることとマラソンのタイムの伸びについて、1kg=3分説と最大酸素摂取量の増加との関係をもとに詳しく説明してきました。
体重を落とせばタイムが伸びるということがわかっていただけたかと思います。
しかしそこには筋肉量の低下を考慮しないといけません。
そのためプロテイン等でタンパク質の摂取加圧Tシャツ等で筋トレの効果を高めたり、最終的にはライザップ等に頼るというのも1つの手だと思います。

今回の記事は長くなってしまいましたが最後までお読みいただきありがとうございました。皆様のタイムが上がることを応援しています。

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